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爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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『新爬虫類・両生類館』カテゴリーの投稿一覧

ヒラセガメの産卵。

センターラボにて飼育中のヒラセガメの産卵が始まっております。

3ヶ月間の冬眠を経て、ペアリング、交尾、産卵とイメージ通りにことが進んでおります。

現在♂1♀3を飼育していまして、3頭の♀のお腹に合計9個の卵を宿しております。

ほんと♂ががんばってくれましたよ。

ヒラセガメは東南アジアに生息する陸生のカメで、絶滅に瀕している貴重なカメです。

動物園では繁殖を目的として、バックヤードで大切に管理されています。

とっても地味なのに、いつも土の中に潜ってるもんで、僕以外の飼育員は存在すら知らないかもしれません。

交尾の様子。

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事前のレントゲン検査にて卵の数を確認しております。

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元気そうな卵たちがくっきりと写っていますね。

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そして産卵。現在3卵を孵卵器内で管理しています。

うち2卵は無事に発生が始まり、有精卵であることが確認できました。

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白い帯が見えますよね?これが有精卵の印。

昨年は孵化に失敗したので今年こそは成功させたいですね。

良いニュースを皆さんに届けられるようがんばります。アデュ。

 

 

エゾアカガエル産卵。

北海道ゾーンのエゾアカガエルの産卵がはじまりました。

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うちの場合、野生の個体群より産卵時期は早めではあるんですが今年は暖冬のせいかより早いですね。

現在施設内の気温は3℃〜10℃。

雄たちの活発で強引な抱接行動が始まっております。

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しかしこのオスの抱きつく力は凄まじいものでしてね。

これによって命を落とす個体も多いんですよ。

しかもこの時期は動くものには何でも抱きついちゃうので、

メスに限らずオスも「抱きつかれ死」する場合があります。

まさに命がけの繁殖なんですね。

 

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エゾアカガエルは道民にとっては最も身近なカエルさんなのですが、その生態はまだまだ不明な点も多く飼育下においても繁殖技術の確立などは全くできていないのが現状です。

しかしこの施設は繁殖を目的として設計された施設。

屋内でありながら、ある程度北海道の季節性を提供することが可能で、最低限度の介入で継続的な繁殖ができる環境となっています。

だから野生ではなかなか難しい彼らの生態を間近に観察することができるんですね。

そしてそこから得られた知見によって、自然下での生活史の詳細をある程度推測することができる。

これは動物園ならではというか、動物園でしかできない自然科学への貢献です。

とっても大切な役割の一つなんですよ。

では。

 

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冬眠近し。

円山名物「冬眠展示」の季節がいよいよ近づいてまいりました。

普段から動かない爬虫両生類たちを「より動かさない」状態へ導くという斬新な展示。

現在は冬眠前の絶食期間中でして、これによって消化管内をからっぽにしてから本格的に温度を下げていきます。

と言っても常に外気を入れっぱなしの北海道ゾーンの両生類たちはすでに半分寝ている状態です。

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現在水温は5度。

温度の低下にとともにここで暮らす住人たちは水中へと移動します。

エゾサンショウウオたちも半数は水中へ。

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エゾアカガエルたちもこんな顔しながらうすら寝ています。

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基本的にここの個体たちは水中で冬眠します。

でも野外において彼らがどういう状態で冬眠しているのかは実はまだ調査が進んでいないんですよ、こんなに身近な種なのにね。

僕は野外にて陸上、水中、それぞれの環境で冬眠している個体を見ていますが、飼育下といった水場へアプローチしやすい環境では冬眠は水中で行われます。

あとこんな低温下であっても餌は普通に食べるんです、こんな冬眠しているような状況でも北海道の両生類たちは食欲があるんです。

これって常識では考えられない驚くべき行動なんですよね。

野外ではなかなか解明できないことも、飼育下の行動を観察することでおおよその推測が可能です。

これこそ動物園ならではの大切な機能の一つなんですよ。

 

 

 

コウヒロナガクビガメの産卵。

新爬虫類両生類館完成以来の悲願でありましたコウヒロナガクビガメがとうとう産卵してくれました。

いやーこれはほんととんでもないことなんです。

我々(というか僕のような人たち)が生きるこの狭い世界では世紀のビッグニュースなんです。

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昨年から求愛行動が活発化しておりまして、近い将来の繁殖を期待しておりましたが、正直まだまだ若いなって思っていたんですよね。

そして今夏も良い具合だったもので、今年の冬は冬眠させて、来年の繁殖に向けて本格的に飼育法を切り替えようと思っていた矢先、なんとメスの行動に変化が。

あ、「こりゃとうとう卵を持ったな」って感じだったもんで、レントゲンで確認したんですね。

それがこれ。

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綺麗に映る11個の卵。

産卵時のトラブルを避けるためにも、体内に何個入っているかを事前に確認することは非常に重要なことなんです。

そしてレントゲン撮影が終わった日の夕方、さっそく産卵が始まりました。

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約1時間半をかけて無事に終了。

下は産卵終え穴を埋め戻している様子。

 

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卵は直ちに掘り出し人工孵化へと切り替えます。

深さ約25cmの場所で確認。

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しかし全て取り出したところ7卵だけ、いくら掘ってもそれ以上発見できません。

そう、まだ体内には4卵残っている状態なわけです。

ここで事前のレントゲン検査がほんとに役にたちましたね。

そしてその日の深夜、どうも気になって職場に戻るとなんと水中に4個の卵が・・・

残念ながら残り4卵は水中で産み落としてしまったんです。

とりあえずすぐに掬いあげたんで、もし有精卵であったとして大事に至らないとは思うんですが、ほんと早期発見で良かったですよ。

そんなこんなで今回産んだ11卵。

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今度の悩みは孵化条件をどうするかですね。

コウヒロナガクビガメは世界的にも繁殖例が少ない種で、情報も少ない。

しかも野生ではわざわざ秋から冬にかけて産卵するという非常に特殊なカメでしてね。

つまり卵はまず低温状態に置かれ、それを経ることで順調に発生が始まるというシステムなわけです。

そのため人工孵化においても低温処理の必要性があり、また孵化日数もやたら長い。

実際ドイツでは積極的に低温処理を行い、成果を挙げています。

しかしその一方で最近は「そんなことしなくても全然OK!」という声も多く聞かれ、実際に低温処理せずに孵化させている事例もあるんですね。

んーほんと悩みますよ、今回は2つのパターンでやってみようかな、あと2週間以内に結論を出さなきゃ。

とりあえず有精卵であることを祈ります。

 

アイゾメヤドクガエルの繁殖。

センターラボにて飼育中のアイゾメヤドクガエル。

苦節4年、やっと初の仔ガエルが無事に上陸しました。

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円山では1ペアのみ飼育しているのですが、その夫婦ときたらあまり相性が良くない感じで、お互い無関心だったんですね。

まあこればっかりは一飼育員がどうこうできる問題でもないですから、とりあえず冷え切った関係をなんとか改善させるべく、地道にお膳立てをしていくしかないわけなんです。

日々雨をザンザン降らせたり時にはカラッカラに乾燥させたりと、祈りを込めながら彼らに刺激を与えてきましたが、結局何も起こらない穏やかな日々が数年続いたんですね。

しかし今年に入って急に行動の変化が見られるように。

雨を降らすごとにお互い急接近、あれほど距離をとっていたペアがクリンチできるくらいまで寄り添うようになったんです。

そして念願のcallingを確認、蚊の泣くような小さな声でオスが「ぐ〜」って鳴きはじめました。

その後産卵が行われ、今では卵の状態こそバラツキがありますが定期的に産卵し、オタマジャクシも孵化するようになりました。

そして今回初めての上陸が確認できたんですね。

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こちらはオス親。

ほんと美しいカエルです。完全に一歩先を行ってますね。

「アイゾメ」って名前もなんだか妖艶で、その響だけでとってもセクシーな気分になってしまいます。

今後もこの貴重で魅力溢れるカエルの繁殖が、より安定するよう日々お膳立てしていきたいと思っておりますよ。

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そしてモウドクフキヤガエルの仔たちは順調に生育しております。

うじゃうじゃいます。

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