札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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講演会のお知らせ。

7月1日(日)、札幌エルプラザにて講演会を行います。

野生動物リハビリテーター主催の講習・講演会。
僕の出番は2日目の午後からです。
講演会は参加無料ですが、協会非会員の方は予約が必要です。
お暇な方は是非お越しくださいね。

詳細はこちら。
http://www.wra-hokkaido.org/information/seminar.html
<リハビリ講演会>
2012年7月1日(日)12:30-15:30
札幌市環境プラザ2階・環境研究室
講師:本田 直也氏 札幌市円山動物園飼育員・諏訪流鷹匠
演題:寒冷地における飼育動物の暮らしと環境
受講料無料:会員以外の方は予約が必要です。


ムカシトカゲ。

最近ですね、来園者の方からたまに質問されるんですよ。
「すいませーん、ムカシトカゲはどこにいるんですか?」って、ほんと驚いちゃいますよね。
だってムカシトカゲなんてそんな貴重なびっくり生物、円山はおろか日本中探しても見ることはできませんから。
ではなぜごく普通の奥様方からそんなマニアック生物の名前が出てくるのか?
原因はこれなんです。


旧爬虫類館に設置していた看板、古き良き昭和感漂うレトロな一品です。
現在は新施設入口前の工事現場の擁壁に設置されておりまして、これがまたやたらと目立つのです。
そんなこともあってか円山でも飼育しているって勘違いしてしまう方もいるようなんですよ。

ムカシトカゲはニュージーランドにのみ生息(現在は2種類)しておりまして、独立した目に属しています。
つまり爬虫類ってのは、ワニ目、カメ目、有鱗目(ヘビ、トカゲ、ミミズトカゲ)、ムカシトカゲ目で構成されているんですね。
だからムカシトカゲはトカゲの仲間ではなく「ムカシトカゲ」なんです。
そう、なんだかとてもめんどくさい存在なのです。
ただ爬虫類を語る上では決して欠くことのできない位置にいますからね、やはり多くの人にこのトカゲの事、いや違うムカシトカゲの事を知って欲しいと思っております。
そして実は僕、初めて告白させてもらいますがこの貴重なムカシトカゲに触れた事のある数少ない日本人の一人なんです。
しかも2度も。ぐへへ。


まずはアメリカ・サンディエゴ動物園にて。
これがムカシトカゲ(ギュンタームカシトカゲ)。
トカゲではありません、ムカシトカゲなのです。
2億年前から変化していないと言われていてます、まさに生きた化石なのです。


質感はというとですね・・・なんかプニュプニュしております。
ムカシトカゲの質感としか言いようがありません。
なんとも2億年の歴史を感じさせてくれるエキセントリックな肌触りです。


こちらがムカシトカゲ専用の非公開施設、実に立派です。
入った瞬間はすごくひんやり、施設内は冷房管理されていて気温は17℃。
ムカシトカゲはですね、爬虫類の中でも最も低温条件下に適応している種なんですよ。
他の爬虫類なら冬眠するような温度でも、ムカシトカゲにとっては適温なんですね。
そして非常に長寿なことでも有名です、寿命はゾウガメ並みの100年以上。
こちらでは複数頭が飼育されていましたが、まだ繁殖には成功していないようです。
そしてこちらはドイツ・ベルリン動物園の飼育個体。


実に立派な個体です。
こちらも冷房付の部屋で管理されており、vip待遇でしたがやはり繁殖は難しいとのことでした。
ムカシトカゲの繁殖で有名なのは現地ニュージーランドの施設でして、数年前に
111才のオスが始めて交尾し繁殖に成功したというニュースが話題になりました。
そしてお相手は30才年下のメス、つまり80才。
あっぱれムカシトカゲ。


札幌デザインウィーク・トークショーのお知らせ。

本日より開催されております札幌デザインウィーク。
http://www.sapporodesignweek.com/2011/

テーマは・・・建築、インテリア、プロダクト、ファッション、グラフィックなどのクリエイティブな仕事をしているプロやデザインを学ぶ学生が一堂に会し、展示会やセミナーなどを通して新しい考え方や発想を磨き、デザインで街を魅力的にしていくための「デザイン運動」・・・とのことです。
なんと素敵なテーマなのでしょうか。

そしてこのイベントのトリを飾るのが札幌市立大学トークショー「は虫類・両生類館のデザイン」なのでございます。
ほんとになんて素敵なのでしょうか。
http://www.sapporodesignweek.com/2011/schedule/2011/10/maruyama-zoo.html


10月23日 13時より地下歩行空間北3条交差点広場で行います。
出演は札幌市立大学の斉藤雅也準教授、フリーライターの野谷悦子さん、そして僕の3人です。
さっそく会場下見のため、久々に下山して里に下りてみました。


何やら盛り上がっておりますね。


素敵なパーリーナイトですよ。

そして札幌市立大学のブース。
これまでの円山動物園とのコラボ事業がパネルで紹介されております。


もちろんは虫類・両生類館もね。



は虫類・両生類館でのデザインテーマは、
「目に見えない物、形の無い物をデザインする」
そう、熱や光、水や空気の流れなんかをデザインし、いかにコントロールしていくのか?ってことなんです。
その辺をお話できればいいなって思っております。

では皆さま、買い物がてら、通りすがりがてらにでもちょっと寄ってみてくださいね。

シロマダラの世界へご招待。

告知でございます。
25日、日曜日 講演会「幻のヘビ、シロマダラを追って」を開催いたします。
13時30分より、動物科学館ホールで行いますので、ご近所ご親戚お誘い合わせの上お越しくださいませ。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-513.html

実際にシロマダラを発見、捕獲した「北海道希少生物調査会」の代表、寺島氏にお越しいただき、当日の状況を克明、且つスリリングにお話していただく予定です。

そして当園からは私、本田ベーレン直也がその後の管理状況をお話させていただきます。
これまでベールに包まれていた円山動物園でのシロマダラの様子、いよいよお伝えする時がきました。
ほんとに厄介なヘビなんです、この苦労を市民の皆様と分かち合いたいと思っております。





そして25日朝からいよいよシロマダラの展示も開始します。
今まで一つだけ空きマスであった北海道ゾーンがいよいよ満室となるのです。
皆様、この奇跡の瞬間を共に堪能いたしましょう。

PS. シロマダラは非常に神経質であるため隠れて見れない可能性が非常に高いです。
    予めご理解、ご了承くださいますようお願い申しあげます。   

ハローミスターロイコさん。

実は今ですね、爬虫類・両生類館裏側で「激レア生物」を保管しているのですよ。
誰もがたまげ、そして吐き気をもよおすかもしれない「とんでも生物」をね。

奴さんの名はロイコクロリディウム(Leucochloridium sp)(以下ロイコさん)
オカモノアラガイというカタツムリに寄生する寄生虫です。
テレビなんかで見たことある人もいますよね。
奴さん、実に奇怪で気持ち悪いんですが、妙にリズミカルでパッションな一面も兼ね備えているんですよ。

僕、ロイコさんを見るのはこれで2回目です。
1回目は家の近所で犬の散歩中に発見、その時は気持ち悪かったので捕獲はしなかったんですね、今思えばもったいなかったな。

そして2回目の今回、これはオサムシ狂の知人から寄贈してもらいました。
彼はオサムシを養うために日々カタツムリを集めている人なんですが、そんな彼でさえこれが2回目の発見なんですよ。
何年もカタツムリを探している人でさえ二回しか発見していない、そのくらい珍しい寄生虫なんです。
そこらへんのクマの糞から出てくるような回虫とは訳が違うんですから。

では皆さま、早速みてただきましょう。
ここから先、苦手な方は見ないでくださいね。

ハロー、ミスターロイコさん。


カタツムリの触角部分にいる緑の色のイモムシみたいのがロイコさんです。
写真ではわからないですが、ビヨンビヨンと動いているんですよ。

ロイコさんは鳥に食べられることで子孫を残していきます。
だからですね、鳥に発見してもらえるよう積極的にイモムシの真似をしながら日々努力しているのですよ。
そしてたまたま鳥に発見されて食べられたロイコさんだけが鳥の体内で成虫となって産卵できるのです。
そして糞と一緒に排泄された卵をたまたま不運なカタツムリが捕食するんですね。
そんな奇妙なサイクルで増殖していくロイコさん、まさに人生を「偶然」というものに委ねてしまったその生き様に僕は心から敬意を払いますよ。

これは普段のロイコさん。
よーくみると殻の中に透けてみえます。



明るくすると行動が活発化します。


ロイコさんに寄生されたカタツムリは積極的に明るい場所に出てくるようになるんですね。
行動まで支配されてしまっているんですよ。
この段階ではまだ出てきてません、奥から徐々に上がってきてるんです。

そして出現。
ロイコさんとカタツムリが奏でる最悪のハーモニー。
ごゆるりと堪能してください。



ロイコさんは爬虫類・両生類館センターラボの片隅にてひっそりと展示してます。
興味のある方は観察しに来てくださいね。
あ、ただし毎回見れるとは限りません。
ただのカタツムリの時も多々ありますのでその際はご了承くださいね

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