札幌100マイル

爬虫類と猛禽類のDeepな世界。

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訃報。

病気療養中であったベーレンパイソンが死んでしまいました。
玉虫色に輝く美しい姿に多くの人が魅了されたのではないでしょうか。
市民の皆様からも愛されていたヘビだっただけに本当に残念、そして管理する側として力及ばず申し訳ない気分でいっぱいです。

一時は交尾行動も確認され・・



妊娠騒動で大騒ぎした事もありました(単なる便秘でした)


そして展示を開始してからは徐々に体調を崩してしまい、残念な結果に。

実は先日、私的な旅行ではありますがベーレンパイソンを巡る旅に行ってきたばかりだったのです。
この種の飼育に力を入れているアメリカの動物園3箇所を訪問し、アメリカにおいての現状、飼育展示に関する情報交換、そして悩みを共有したいと思っていたのです。

実際アメリカにおいても飼育は安定しておらず、飼育自体をやめてしまった園もあるようです。
幼体から育て上げ、充分に環境に馴染んでいるような個体であっても突然体調を崩し死に至る。
そしてその死因のほとんどが呼吸器系と消化器系の感染症であると。
ストレスがかかると、菌に対して感受性が高くなり発症してしまうんですね。
いわゆる日和見感染です。

そんな中でもテキサスのフォートワースZoo、ダラスZooは本当に素晴らしかった。
特にフォートワースには世界で唯一のベーレンパイソンの本の著者Ari Flagle氏が勤務しており、当然飼育には力を入れています。
展示個体は20才を超えており安定。
繁殖にも積極的に取り組んでおりますが、個体の体調が不安定になる時期がありうまくはいっていないとのこと。
交尾は成功しても産卵はしないというのがパターンのようです。
それでもこのヘビに関しての朗報は、テキサスからもたらされるであろうと強く感じました。

今回の旅でこの美しいヘビに関わる様々な人と出会い、今後の飼育の地盤を固めた矢先の出来事。
本当に悲しいです。
皆様もこの美しいヘビの事を時々思い出してくれたら幸いです。
では。
 

思いを伝える2。

先日紹介したこのメッセージ。
http://sapporo.100miles.jp/zoo_honda/article/275

それ以来毎日のように展示場前に何かしらのメッセージが届いております。
一番多いのはやはりこれ。
マツカサトカゲの展示場前の松ボックリ。


やはりボックリだとどうしてもパンチの弱さは否めません。
前回のマツカサは園内探してもなかなか落ちてませんからね。
そこに本物思考の強いこだわりと思いを感じていたのですよ。

そして昨日届いたメッセージはこちら。
アオホソオオトカゲ展示場前にて。



アイラブ北海道。
一体これは何なのでしょうか。


最初は落し物なのかと思ってしまいましたが、よーく見るとこの人形の配置と佇まいに何かしらの意図を感じるのですよ。
そこはかとなく滲み出てくる強いメッセージをね。

あ、でも気のせいかな。
やっぱり忘れ物かもしれません。
では新たなメッセージお待ちしております。

鳴かぬなら鳴かせてみせようヨウスコウワニ。



いやー実にエキサイティングでございました。
英国ロンドンZooではドアをドンッと強く締めて求愛誘起を行っているようです。
さすがに太鼓はないでしょうね。
たぶん初めての試みだったのではないでしょうか。

結果の詳細はこちらをご覧ください。
http://sapporo.100miles.jp/winter_pj/article/235

それにしても実験前に行われた茂呂さんのデモ、感動しましたね。
五臓六腑にしみわたりましたよ。
たぶん会場にいたほとんどの方が「実験は中止してこのまま演奏を聴いていたい」と思ったのではないでしょうか。
ええ、わかります。でもそうはいかないんです。
本場ガーナに留学し習得した技術、衝撃波と地響き、躍動感溢れる演奏でございました。
なんつっても僕が一番好きなチョコレートもガーナチョコですからね。
ほんと8秒くらいで1枚食ってしまいますよ。
ガーナあっぱれです。

ヨウスコウワニのペア、現状としては極めて弱い発情兆候が見られるって感じ。
はっきり言って全然ダメなんです。
そりゃそうです、環境が変わったのですからね。
新施設への順化、体内リズムの再確立、あと数年はかかると思います。
そんな状態でありながらも太鼓の刺激でメスは反応してくれましたね。
オスはいまいちでしたが、まあオスってのは本質的に神経質で弱い存在ですからね。
気長に待つしかありません。
ペアの条件さえ整えば絶対に効果は出ると思われます。
今後とも末長くお願いしますね。
ヨウスコウワニにはまだまだいろんな事が試せそうです。
鳴くまで待とうヨウスコウワニ。

求愛行動誘起実験行います。

明日5日午前11時よりヨウスコウワニ展示場前にて、求愛行動誘起実験を行います。
http://www.city.sapporo.jp/zoo/topics/topics2-580.html

円山動物園ではこれまで過去3回、ヨウスコウワニの繁殖に成功しております。
成功の大きな要因の一つとなっているのは、求愛行動を活発化させるために多用していた必殺の技「窓たたき」。

展示場のガラス面を叩くと鳴り響く大きな音と振動、これがワニ達が繁殖期に出す鳴き声にそっくりなんです。
それを聞いたワニ達も釣られて鳴き合いを開始、そしてどんどん盛り上がってそのまま交尾へと突入っていうのが一連の流れ。
これによっていつでも目の前で交尾が確認できるという夢のような技だったのです。

しかし新施設は建物の構造が異なるためこの技は使えません、だから当初より様々な方法を考えていたのです。
そこで手を貸してくれたのがAIR-Gさん。
旧施設においてのワニの声の録音とそれを使った実験、ヨウスコウワニ応援ソングの制作などこれまで多大なる支援と協力をいただいておりました。
そして今回実現したのが太鼓奏者、茂呂剛伸氏による太鼓音での求愛行動誘起作戦。
この太鼓音、ものすごくパワフルでワニの鳴き声に似ているんですから。
奇をてらった実験ではありますが、期待できますよね。

頼むぜベイベー達。


興味深い行動を目の当たりにできるかもしれませんよ。
では皆様、明日お会いしましょう。
レッツドラミング。




カエルンコーリング。

今、閉園後のは虫類・両生類館ではカエル達の鳴き声が響き渡っているんですよ。





なぜかというと原因はこれ、加湿器。
ここ3ヶ月間は低湿度で管理してまして、カエルの鳴き声も産卵もぴたっと止まっていたんですよ。



でもこれのおかげでラボ内の湿度は一気に上昇。
室内ですらこの湿度ですからね。


ケージ内は100%近いです。
そうまさにカエルにとっての恋の季節、雨季が到来したんですね。



美声ナンバーワンはこのキオビヤドクガエル。
高音で伸びのあるビブラート、まさに「のこいのこ」のような澄んだ声を響かせます。



こちらのモウドクフキヤガエルはウンともスんとも言いませんね。
そもそもオスなのかメスなのかもわからない。
このまま鳴かないならオスはいないって事になります。



アイゾメヤドクガエルはあまりにも声が小さくて聞き取れません。
ほんともっと腹から声を出してほしいものです。



そしてマダラヤドクガエル。
子沢山で繁殖結果は良好なのですが、こちらも声は聞き取れません。
たまには男らしくシャウトしてほしいものですね。



最も活発に鳴いているのが、まだ生後一年程度のミツヅノコノハガエルの子供達。


でもね、やっぱりまだまだ子供。
親個体のような、パワフルソウルフルボイスは出ないんです。
何とも微妙な、声変わりが始まってしまった少年合唱団員みたいな、そんな感じの声なんですね。
そして少しだけニホンアマガエルの声と似ているんですよ。
交互に鳴かれるとたまに迷うことがあります。
迷うと言っても上條恒彦と子門真人くらいの違いなんですけどね。
よく聞くと子門真人の方が若干ライトで粘りがあるかな、みたいな。
興味ない人には同じなんだけど、ファンだったらすぐに違いがわかるみたいなね。
ええ、そんな感じなんです。
では風邪をこじらせたので今夜はこの辺で。

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