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壁
Posted by チャンネルのチャンネル on 2012年2月20日(月) 03:23
狸小路の一丁目は他より少しスピードを落として歩く。
そこは色と音が少し違う。いや、今はあまりかわらないかもしれない。
それは多分一丁目から東へわたる地下歩道があったイメージ。
湿度と温度。色と音。
そんなものが今はあるはずもない残り香を自分の記憶の中からほじくりだし、
ゼロ丁目を歩く。
壁
傾斜のついた高い壁
剥がれた壁紙
そう、付いていたものは何かの拍子で剥がれるのだ。
剥がれかけた瘡蓋(かさぶた)の様に一部分がついたままに。
人一人やっとのれるほどの小さな場。
そこから思い切り手を伸ばし糊を塗る。
完全に空気が入っている。
何かが剥がれた後にそれを修復したとしても、
そこには必ず今までになかった何かが入る。
そういえば空腹だ。
肉でも食べにいこうか。
ふと、ズボンのチャックが気になり触ってみた。
田中慎弥の「共喰い」を読みました
影響されやすいのです。
*壁紙がはがれたので、はり直したら失敗した、っていうだけの話。
「もらっといてやる」
チャンネル 荒谷一之
「共喰い」は田中さんの力量をしっかりと感じる作品です。