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映画『サイドウェイズ』

  

  2009年 日本
  監督:チェリン・グラック
  原作:レックス・ピケット
  オリジナル脚本:アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
  日本版脚本:上杉隆之
  キャスト:小日向文世 生瀬勝久 菊地凛子 鈴木京香


オフィシャルサイト
http://movies.foxjapan.com/sideways_jpn/

グランヴァンセラーに立ち寄って戴いた招待券で、試写会に行ってきました。
オリジナルを観ていたので、「全くの焼き直しだったらどうしよう・・・」
という危惧は、はっきりいってありました。
しかしこれは、日本ならではの映画と言えるでしょう。

アメリカで、自分の居場所を作ろうとする日本人。
日本を自分の居場所としながらも、
行き詰まりから抜け出すために、アメリカの空気を吸おうとする日本人。
前者の立場にあるのが生瀬勝久演じる大介と、
鈴木京香演じる麻有子
後者は小日向文世演じる道雄

大介のバチェラー・パーティ(ツアー)から始まった、
カリフォルニアのワイナリー巡り。

独身最後の浮気のつもりが、
日本人のミナ(菊地凛子)と出会い、
日本への郷愁を掻き立てられてしまうというあたりに、
異国に生きる日本人のしんどさを垣間見る。
麻有子は、アメリカで生きようと必死なあまり 自らを、
何処にあっても自分を曲げないカベルネ・ソーヴィニョンに喩えたりする。

結果、大介はアメリカに根を下ろすことを決め、
麻有子は日本に活路を求める。
その導きとなるのが道雄で、
映画にスイートな味わいを与えているのが、ミナという役どころ。
生瀬と小日向の軽妙なやり取りが、映画のテンポを小気味良くしている。
全体的に、ややドライな作りです。
「日本版リメイクなのに、なぜ長野や山梨で撮影しないんだ??」
という声が、私の周りのワインラバーからあがってもいたのですが、
アメリカ西海岸のカラッとした空気が、
この映画のテーマには必要だったのでしょう。

ワインは、とかく人生に喩えられる飲み物だと つくづく。
世界中にこういう飲み物、他にはありませんね。
「私たちは、まだワインになる前の葡萄だった」
麻有子のようにそう言って、
人生の巻き返しをはかるのも、いいかもしれません^^

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