札幌100マイル

Keの日Hareの日

日々のあれこれ気まま投稿。yay!

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『映画』カテゴリーの投稿一覧

愛は残ったか?~メッセージ そして、愛が残る



キャスト:ロマン・デュリス ジョン・マルコヴィッチ エヴァンジェリン・リリー
原作:ギヨーム・ミュッソ
監督:ジル・ブルドス
脚本:ジル・ブルドス ミシェル・スピノザ
撮影:リー・ピンビン
2008年 ドイツ・フランス・カナダ


オフィシャルサイトはこちら

自分の死期を悟った時、人は何をするだろうか?
というテーマらしい、とだけ頭に入れて、業務試写会にて鑑賞しました。

しかし、それは間違いでした。
「相手の死期を知った時、自分はその人に何をしてやれるだろうか?」が正解。

たとえば、病気などで死期を告げられている身内や友人を、
どのように看取ってあげようかと考える場面は、
実際 私たちにもありますが、
突然の事故などで、その為の充分な時間が取れない場合、
「あの時ああすれば良かった」と悔やむことがあります。

誰も気づかない他人の死期に、
いち早く気づいてしまうという能力を持った人間を創り上げることで、
「悔いのないよう“その時”を迎えさせてあげよう」という『メッセージ』。
そうすることで、その人と関わった自分も浄化されたいと願うのでしょうか?

だとすれば、J.マルコヴィッチ演じるドクター・ケイが、
主人公にまず伝えなければならないのは、違うことなのではないかなぁ~
と、観ていて思いました。

やはり、「いつ死んでも悔いのないように」生きることが大事なのでしょう。
それでも残った悔いは・・・

死んで幽霊になって出ないように、あの世まで持っていく!
・・・ように、努力します。

映像と音楽は静謐です。
悩みを持つ誰かと対峙している時に、観ると良い映画かもです。


ディノスシネマズ札幌劇場にて 11/6~ 公開



旅の果てに辿り着いたものは・・・『マザーウォーター』

マザーウォーター・・・ウィスキーの仕込み水に使われる水のこと。



キャスト:小林聡美 小泉今日子 市川実日子 
     加瀬亮 光石研 永山絢斗 もたいまさこ

  監督:松本佳奈
  脚本:白木朋子 たかのいちこ

フードスタイリスト:飯島奈美

    ~~~~~~~~~~~~~~~~

ワタクシ、このプロジェクトの過去三部作では
『かもめ食堂』しか観ていないのですが、
舞台をあちこちに移しながらも、
製作サイドがこの新作に至って、言いたかったことは何なのか、
なんとなく わかった気がしました。

どこに行っても自分らしくあり、
大事なことを見失わずいて、
小さなことを続けていく。

ヘルシンキ、与論島、チェンマイにあっては
“新鮮な発見”であったそれらが、
日本においては、ちょっと気づきづらい。
なので、この映画は地味です。

なんの見栄もはったりも無理もない、ごく当たり前の風景。
しかし、こういう映画が作られるということは、
日常の、ごく当たり前のものに光を当てる作業が、
いかに忘れられがちかという証拠でしょう。
今いる場所で、なにかを見つけたいと思っている人にとっては、
ヒントの宝庫となる映画でしょうね。

最初は「わ~こういうのお洒落~」でもいい。
毎日を少しでも楽しく過ごせるのなら。
そして、いつか。
自分が、自分の実生活で、
こんなエピソードのひとつふたつを生み出して、
通りすがりの誰かの前で、ぽろっと置いていけるのなら。


短髪の加瀬亮クンは好きです。


マザーウォーター
2010年 日本 105分
札幌シネマフロンティアにて 10月30日公開


公式サイト

信じる者は救われる、か?~ヤギと男と男と壁と



キャスト  ジョージ・クルーニー  ジェフ・ブリッジス
      ユアン・マクレガー  ケヴィン・スペイシー  他
原案    ジョン・ロンスン(『実録・アメリカ超能力部隊』)
監督    グラント・ヘスロヴ

2009年 アメリカ・イギリス


オフィシャルサイトはこちら

100マイル試写会で鑑賞。
細かい解説は無用です。
予備知識無しの方が、映画独特のまったり感を楽しめると思います。
ただし、いっこだけ。
実話に基づく映画だそうです。
そう知って観ると、馬鹿馬鹿しさがいや増します。

   

キャスト陣をご覧頂いてお判りのように、男臭さ満載の映画です。
原案が原案なので、どのように調理するのかと思って観てたら、
意外とまっとうな(失礼)ポジティブメッセージを含んでおりました。
劇中に「ジェダイ」という単語が出た時、
ユアン・マクレガーの顔をあらためて見、心で小さくウケました。
My萌えは、長髪のG.クルーニーでした。

      

それにしてもこの脱力感と不条理感、何かに似ている・・・
そうだ、吉田戦車の世界だ・・・。


9月18日(土)より、ユナイテッド・シネマ札幌にて公開


レビュー:バベットの晩餐会



私がこの映画を観たのは、1989年の日本初公開時でした。
当時の日本には、まだバブル経済の名残があり、
洋物グルメ映画の公開が、相次いであったように記憶しています
(私がそういう映画を好んで観ていただけかもしれませんが)。

あらすじは、牧師の父に仕えて独身を通した二人の姉妹の元に、
全てを失いフランスから亡命してきた、バベットという女性が辿り着く。
家政婦として姉妹の家で働き始めたバベットは、見事な料理の腕前を発揮、
姉妹の食事は勿論、村人に施すスープも極上の味に変えていく。
14年の歳月が流れ、バベットは牧師の生誕百年のお祝いに、
フランス料理の晩餐を作らせてほしいと、姉妹に願い出る。

フランスから仕入れた食材で、バベットが作り上げた料理の内容は

海亀のスープ

キャビアのドミドフ風ブリニ添え

うずらのフォアグラ詰めパイケース入りソースペリグール

季節のサラダ

チーズ(カンタル、フルムダンベール、ブルーオーベルニュ)

ラム風味のサヴァラン

新鮮なフルーツ
 
コーヒー

アモンティヤード

ヴーヴ・クリコ 1860

クロ・ヴージョ 1845

コニャック(ハイン) 
    ※エスクァイア日本版1998年1月号テキストより


晩餐に招かれた村人たちは、見たことも聞いたこともない料理にビクビク。
日頃、干し魚の鍋煮と、
ビールパンで作った茶色いスープしか食べていない彼らにとっては、
「悪魔のメニュー」。
しかし食べ進み、飲み進むうちに、村人たちの顔がほころんでいく。
美味しいものは無知な者、疑い深い者の心をも溶かしていく。
そして晩餐の後、姉妹は知るのだった。
バベットは、自分が当てた宝くじの賞金1万フラン
(現代の相場で換算すると、推定五百万~一千万円相当)を、
すべてこの晩餐会の為に遣ってしまったことを。

結末までご紹介したのは、
そう思って観ると、映画の細部がよりよく見えるのではないかと思ったからです。
バベットの素性と、それを証明する絶妙な料理と給仕。
そしてすべての美しいものには心が宿り、それゆえに他者の心を溶かすということ。
ものが溢れている時代には気づきにくく、
求めないまっさらな心根の者に幸運は降りる。
今にこそ、観るべき映画だったのかもしれません。


          
                 バベットの晩餐会
                 札幌シネマフロンティアにて上映中


人生の荒波を渡ってきた人にこそ観て欲しい映画

  
  『17歳の肖像』(原題 AN EDUCATION)
  キャスト:ピーター・サースガード  キャリー・マリガン  アルフレッド・モリーナ
  監督:ロネ・シェルフィグ  2008年 イギリス

          http://www.17-sai.jp/
 
札幌100マイルの試写会で鑑賞させていただきました。
のっけからなんですが、邦題、いただけません。
『エデュケイション』の方が、個人的にしっくりきます。

内容は、退屈な時代、退屈な環境にある、
好奇心旺盛な、ちょっと頭のいい女の子が、
全くの未知の世界を体験し、痛みと共に世の中を知るという、
ある意味、ティピカルなストーリィ。

「若さゆえの無茶」をしてきた女性なら、
非常に身につまされる映画ではないでしょうか。
実は私もそうです。
私の場合も主人公のように、
勉強ばっかりの奥手な青春時代を過ごしたのですが、
大人になってからハシカのように、無謀なことをしまくりました。
相当、親を泣かせてきました。
無謀な性格に未知の体験が加わると、波乱万丈な人生が出来上がります。
これには年齢は関係ない。

可能性を、とにかく求めて突っ走った。
疑い深くなれば傷つくこともないけれど、
夢を見るのに、信じる事は必要だった。
若いうちなら、まだ立ち直れる。
それをどこかでわかっているから、誰を泣かせても、
「教育」を受ける必要があった。

これは、まだ経験したことのない人にはピンとこない事だし、
さなかにいる人には、「大きなお世話」的な話です。
過去の自分を投影できる、大人の女性に観ていただきたい。

無謀に突っ走ってる時って、周りが見えなくて、
大分経ってから、黙って見守ってくれた人の有り難味がわかるけど、
映画の主人公は早くに気づけたようで、良かったねと思いました
(映画だから、短縮したのかもしれないけれど)。
主役のキャリー・マリガン、演技上手のベビーフェイス!
「見た目子供でも、頭は切れるのよ」という主人公の設定にぴったり!
この女優さん、すごいしっかり者なんじゃないかしら~
頭の良さで、色んな役をこなしていけそうです。

個人的には、スタッブス先生を演じたオリヴィア・ウィリアムズが好みです。


       映画は、4月17日公開。
  ※北海道(ユナイテッド・シネマ札幌)は5月8日公開です。








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