エゾシカシンポジウム
Posted by vanilla on 2010年10月13日(水) 11:35
10/11、エゾシカシンポジウムに参加しました。
開演までの時間、エルプラザ内のカフェでお茶を飲む。
会場前にはパネル展示
加工食品や手工芸品。
鹿革って、しなやかなんですね~
会場は8~9割方埋まってました。
東京農工大学大学院共生科学技術研究院 梶 光一教授による基調講演、
北海道森林管理局 松本 芳樹企画調整部長による報告があり、
釧路短期大学 岡本 匡代講師の、
エゾシカ肉の魅力について語る講演へと・・・
皆さん、鹿肉への関心は高いと見ました。
エゾシカ肉は低脂肪・高蛋白で鉄分を多く含むので、
中高年、特に女性にお勧めだそうですよ。
お待ちかね?の試食タイム
ジンギスカン
ソテーしたソーセージ
ボイルしたソーセージ
炒めたものより、ボイルの方が味がわかって美味しい!
ってことは
生ロース肉のしゃぶしゃぶ、これは美味しいだろう~
ごまだれつけました。美味しかった。
しゃぶしゃぶ担当のお姉さんも大忙し。
カメラの数凄かったです。TVカメラもあった・・・。
最後に、エゾシカによる被害の実情を
(基調講演、報告、パネルディスカッションの内容を、
私なりに集約したものです)。
現在、エゾシカは爆発的に増加を続けており、
その生息範囲も、全道に広がっています。
エゾシカが特定の植物を食い荒らすと、その植物数が激減するだけでなく、
それ以外の植物が繁茂し、生態系に影響を及ぼします。
それは森林の樹木のみならず、
農作物や、天然記念物に指定される植物にまで至ります。
その被害は甚大です。
エゾシカ増加の原因としては、1990年代半ばまでの保護政策の他、
捕食者(オオカミ)の根絶、狩猟者(ハンター)の減少、
生息地の改変(森林伐採、草地造成など)、気候の温暖化、
中山間地域における人口の減少、
耕作放棄地の増加、などが挙げられます。
しかし一番の原因は、
保護政策下でのエゾシカの管理が不徹底だったからではないかと、
私は思います。
ここまでエゾシカの個体数が激増し、各方面への被害が甚大になってから、
具体的な対策活動に出たという事実。
過去からは学ぶしかないとして、さてこれからどうするか。
ひとつが、資源としての活用です。
しかし、現在資源として利用する数よりも
はるか多くのエゾシカを駆除しなければ、
コントロール下に置くことの出来る個体数にまで減ってはくれない。
そのためには、ハンターが要る。
残滓(死体)処理の人手が要る。
それぞれに経費がかかる。
そうこうしている間にも、農作物への被害は膨れ上がり、
電気牧柵だって修理の必要が出てくる。
これが現状です。
「むしろ皆さんの『こうしてほしい』という要望があった方が、
私共は動きやすい」と、
森林管理局 松本企画調整部長は仰っていました。
今、主に鹿肉を「食べる」ことでエゾシカへの関心は深まりつつありますが、
各方面からのアプローチの声を、是非必要としています。
現状を知るというだけでも、とても勉強になりました。
エゾシカ問題はもはや深刻ですが、まずはここから、なんですね。
北海道森林管理局
社団法人 エゾシカ協会