2009年12月03日 の投稿一覧
品種改良は終わりなき旅です
Posted by Sapporo100miles編集長 オサナイミカ on 2009年12月3日(木) 11:25
先日、ホテルKKR札幌さんで行われた北海道農業研究センター(北農研)主催の【新しい食材と出会う会】に参加してきました
まずは新品種の紹介が、各研究チームの代表者からありました
今回発表されたのは、『ゆめのちから』という小麦と、『レラノカオリ』という蕎麦、そして今人気のカラフルポテトの新品種
たとえば小麦の『ゆめちから』は、北海道初の超強力小麦の優良品種
現在、パン用の道産小麦は品質が不安定で生産に限界もあり、
全体の小麦収穫の比率は非常に少ない状況なんです
(90%がうどん用のほくしんなんだとか)
そこで品種改良をして、北海道の気候に強い品種開発をしたそうです
現在のパン用小麦は春まき小麦の春よ恋・ハルユタカ
今回は秋まき小麦のゆめちからが完成したわけですが、少々弾力性が強すぎる
そこで、弾力性の弱いうどん用のホクシン(秋まき)とブレンドすることによって
パンなどに使用するのにちょうどよい小麦粉ができるわけです
これなら春まき小麦より安価で入手することが可能なので
道産小麦のパンが一気に世に出回る可能性が高まりますね
と、小一時間の発表を聞いた後は会場を移して試食タイム♪
ピザや食パン、ロールケーキ、ゆきのめぐみのリゾットなどなど
ロールケーキは【もち姫】という、世界的にも珍しいもち性の小麦を100%と80%使用して作ったモノを食べ比べ
オサナイ、違いが微妙に分からなかった…
それから食パンの上に載っているのが【シーベリー】という来春から発売を予定されている
中国名でサジーというグミ科の果物
こちら、ちょっと気になる存在デス!
ゆめのちから100%のパスタやTC2A(ほっとけ栗たん)の冷製スープ
※パスタやパンは現在、北広島市の緑提灯レストラン『グリーンパーク』で味わえるそうですよ!
■北広島市中央2丁目/090‐2814‐8401
11:30~15:30 日祝月休
そしてこちらはジャガイモの食べ比べ
シャドークィーンやはるか、インカのひとみそして新品種の北海98号
※北海98号はインカルージュとして平成23年から販売される予定
煮物にしても荷崩れしにくく、ナッツ風味もあって食味が優れているとの触れ込みで
たしかに、しっかりした食感でした
そうそう、インカのひとみは平成20年と21年の食べ比べをしたのですが、
越冬した方が確実に甘い!!
今回は北海道だけでなく、全国の農業研究センターの協力の元、
道産以外のものもいろいろありましたよ~
フルーツでは九州のいちご、おおきみが甘くて美味しかったデス^-^
そして参加者から大絶賛だったのが、レラノカオリ~蕎麦です
今回は二八の冷たいそばで頂きましたが、味わいと歯ごたえ、そして香りが
かなりしっかりした蕎麦でした
ちなみに北農研が育成したソバ品種の歴史はこんな感じ
昭和5年 牡丹そば
1990 キタワセソバ
1993 キタユキ
2005 北海3号
2005 キタノマシュウ
2006 ダッタンソバ(北海T8号)
2008 ダッタンソバ(北海T9号)
2008 ダッタンソバ(北海T10号)
現在、キタワセソバが北海道の蕎麦の約9割を占めるらしく、新しい風味など、差別化できる商材も欲しいということで開発
特徴としてはキタワセソバより早く熟す・収量が高い・ソバの実の粒が大きい・味の強さ・香りの強さなどが数値的に高いとのこで、農家での栽培は平成24年からの予定
う~~ん、蕎麦好きとしては早く市場に出回って欲しい!!と思うくらいハマりました^-^
会場には他に、玉ねぎやサツマイモ、スイーツなどなど
とても全部は試食できないほどの試食品がありました
今回この会に出席して、改めてモノづくりには終わりがないんだと思い
これからも、どんどん北海道に根付く素晴らしい農作物を
開発していって欲しいと思いました
そうそう、今回の講演で締めにようこそさっぽろの杉山編集長が登場し、
『今後、北海道の子供たちが、私たちは私たちの暮らす北海道の小麦やジャガイモで育ったんだ!!と、プライドを持って言える時代にしたい~いや、するべきだ』と語っておりました
まさにその通りだと思います
今の時代、美味しい食べ物が周りに当たり前に溢れていて、その原点を忘れがち
食べるという行為・時間をもっと・もっと深い時間にしていかなくは行けませんね
さ、私ももっともっと、食べて飲まないとです!!